植物を育てている上で、もっとも困難な試練といえば根腐れですよね。
受験、就活と並ぶくらいの試練です。
筆者は100鉢以上植物を育てているんですが、過去に根腐れでダメにしてしまった植物は数しれず……。
とはいえ、今では育て方も分かってきて根腐れさせてしまうことも滅多になくなりました。
そこでこの記事では、そんな筆者が下記について解説していきます。
- 根腐れのメカニズム
- 根腐れの原因になること
- 根腐れから復活するための対処法
このサイト(みどりのグリーン)は100株以上の植物と暮らすデザイナーが運営しております。
記事内の写真も我が家で撮影したものなので、あわせてお楽しみください!
根腐れのメカニズム
- 土が乾かないなどで根が痛む
- 傷んだ根が壊死する
- 壊死した根が水に浸っていると空気を嫌う悪い菌が繁殖
- 根腐れが起こる
根腐れが起こる一番の元凶は根っこが傷んで壊死してしまうこと。
壊死が起こる大きな原因は下記の3つです!
- 土が濡れたままで根が窒息する
- 土を乾かし過ぎて根の先端が枯死する
- 肥料過多で根が痛む
次の章では、この3つの原因を引き起こしてしまうNG行動を解説していきます。
根腐れの原因になること
- 水やりしすぎ
- 肥料が濃過ぎる・頻度が多すぎる
- 乾燥させ過ぎたあとの水やり
- 土の劣化
- 乾きにくい鉢を使っている
- 受け皿に水をためている
水やりしすぎ
「枯らさないように水やりしなきゃ!」と毎日水をあげていると根腐れを起こす可能性が高くなります。
根っこも人間と同じく呼吸しているので、土がずっと湿っていると息ができずに腐ってしまいます。
土がしっかり乾いてから水をあげるのが水やりの基本のキ。
特に冬場は寒さで植物の成長が鈍りがちなので、いつものペースで水やりをしていると根腐れしてしまうかも。
肥料が濃過ぎる・頻度が多すぎる
肥料のあげすぎも根腐れを引き起こす原因になります。
規定より多く肥料をあげてしまうと、浸透圧の関係で根っこの水分がどんどん外に出ていき根っこが傷むことに。
これが俗にいう「肥料焼け」。
根っこを漬物にしているような状態なので気を付けましょう。
乾燥させ過ぎたあとの水やり
土を乾かしすぎると根っこの先端が枯れて、水を吸えなくなってしまいます。
その状態で水やりをすると、枯れた根っこが蒸れて腐り、雑菌が繁殖。
それが根っこ全体に拡がってしまうと根腐れに…!
土の劣化
土は使い続けると粒がだんだん崩れていき、みっちりと隙間がない状態に。
そうなった土は乾きが遅くなり、空気の通り道も少なくなるので根腐れを起こしやすいです。
乾きにくい鉢を使っている
鉢の選び方でも根腐れのしやすさが変わってきます。
下記のような鉢は根腐れに注意!
- 鉢のサイズが植物に対して大きすぎる
- 底穴がない、少ない
- 置いたときに底穴が塞がってしまう
受け皿に水をためている
受け皿に水をためていることも、土の乾きを遅くする原因になります。
これは意外と盲点。
夏場などのすぐ乾く時期なら問題ないですが、冬は根腐れにつながる可能性があるので注意しましょう。
根腐れから復活するための対処法
- 新しい土に植え替える
- 乾きやすい鉢を使う
- 肥料の使用方法を守る
- サーキュレーターを使う
- 暗すぎない場所に置く
- メリハリをつけて水やり
新しい土に植え替える
根腐れは放っておくと拡がって手遅れになる可能性が高いです。
なので、根腐れしていることがわかったら新しい土に植え替えてあげましょう。
その際に腐って黒くなった根っこを剪定してあげると、腐敗を止めることができます!
ただし、寒い時期に植え替えると余計にダメージを与えてしまうので、冬は慎重にやってください。
置き場所の温度が10℃を切る場合は、できるだけ暖かい明るめな日陰に置いておき、春まで乾かし気味に管理してあげましょう。
乾きやすい鉢を使う
鉢によって土が乾きやすいものと、そうでないものがあります。
乾きやすさに関係してくるのは、以下の3要素。
- 鉢底の穴
- 鉢の大きさ
- 鉢の素材
根腐れに悩んでいる方は以下を参考に鉢の見直しをしてみるのもいいかもしれません。
1.鉢底の穴
通気性や排水性 | 水持ち | |
---|---|---|
穴が少ない鉢 | △ | ◎ |
穴が多い鉢 | ◎ | △ |
一長一短で迷いそうですが、一般的に植物を育てるのに良いといわれるのは穴が多い鉢です。
根腐れの原因としても紹介したように、土がずっと湿っている状態は根っこにとって良い環境ではありません。
根っこは土が乾いてくると水を求めて成長するので、よく乾く鉢は生育にもバッチリです!
2.鉢の大きさ
実は鉢のサイズも根腐れに深く関係しています。
基本的には、苗の大きさより一回り(1号程度)大きな鉢をえらぶようにしてみましょう。
植物に対して鉢が大きすぎると、土の量が多くなり根っこが水を吸いきれず、根腐れしやすくなってしまいます。
面倒くさがってデカい鉢を選んじゃダメなんですね…
3.鉢の素材
おまけ程度ですが、鉢の素材も通気性や排水性に関わってきます。
- テラコッタ(素焼き)
- コンクリート・モルタル
- 木材
- 布
- プラスチック(FRP)
- 陶器
- ブリキ・金属
- ガラス
ただ、「鉢底の穴」次第で通気性は確保できるので、「通気性が悪い素材=使ってはいけない」というわけではありません。
うちでもほとんどの植物がプラスチック鉢に植わっています!
軽くてLOVE。
肥料の使用方法を守る
液肥は規定倍率、固形肥料は置き場所と個数を守って、与えすぎないようにするのが重要です。
だいたいパッケージの裏に使い方の記載があります。
大切な植物を枯らさないために使用方法を守りましょう。
文字と数字いっぱいで脳が拒否反応を見せますが、植物ちゃんのために頑張って読みましょう…
細かいですが、以下の点も気を付けてみると更に安心です。
- 液肥:規定倍率に薄めていても、与える回数が多すぎると肥料過多になり、根っこが傷むので注意。
- 樹脂コーティングされた固形肥料:温度が高い夏場は成分が溶け出しやすく、肥料焼けを起こしやすいので注意。
ちなみに我が家では、液肥を規定倍率から更に2~5倍にうすめて、2週間に1回与えるようにしています。
薄めにすることで植物が傷む心配なし!頻度にもそこまで気を遣わずによくなって楽ですよ!
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サーキュレーターを使う
サーキュレーターで室内の風を循環させてあげると、葉っぱからの水分の蒸散量が増えていきます。
そして蒸散量が増えると、その分根っこが水を吸い上げる量も増える!
結果として土が速く乾くので根腐れしにくくなる、という訳です。
室内の空気が回るので冷暖房の効率も爆上がりです。植物様に快適になって頂くついでに、人間もおこぼれをあずかりませんか?
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暗すぎない場所に置く
植物は光合成をするほど蒸散量(葉っぱの気孔から水が蒸発する量)が増え、根っこから吸い上げる水の量も増えます。
そのため暗い場所だと土が乾きにくく、逆に明るい場所だと土が乾きやすくなるんです。
とにかく真っ暗にしないことが大事!
どうしても明るい場所がないのであれば、植物育成ライトを使ってみるのもおすすめですよ。
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メリハリをつけて水やり
水やりは基本的に土が乾いてから行いましょう!
とはいえ、乾かしすぎても根っこが弱ってしまうので結構難しいですよね。
以下を意識するところから始めて、コツをつかんでいきましょう。
- 春/夏/秋:土の表面から1cmくらいが乾いていたら水やり。
- 冬:土の中までしっかり乾いていたら水やり。
見た目で分かりにくかったら、指をズボッと土に入れて確かめてみるのも良いですよ!
「乾きやすくて見た目もいい究極の鉢」を作りました!
先ほど「鉢によっても乾きやすさが違う」と書きましたが、世の中の鉢って
- 見た目が良いが、底穴が少なくて乾きにくい鉢
- 機能性は良いが、見た目が工業製品っぽすぎる鉢
のどちらかが多くないですか?
筆者もしばらく「見た目と機能性を両立した究極の鉢ってないかな~」と思って探していたんですが、しっくり来るものがなかなか見つかりませんでした。
無いなら作ればいい!!
ということで、3Dプリンターを使って鉢作りを開始してみました。
出来上がったのがこちらの鉢。
- メッシュ構造になっていて通気性抜群
- 水はけがよく根腐れしにくい
- 鉢底にサークリング防止の板を設置してあるので根張りがよくなる
この鉢をインスタグラムで投稿してみたところ、かなりの反響をいただきました。
「販売してほしい」という声がかなり多かったので、2024年4月から販売開始してみたところ、なんと初回の販売は10分で完売…!
「本当に売れるのかな?」と不安だったんですが、あまりの完売の速さにびっくりしました。
今後も週1回くらい在庫を追加していくので、ご興味ありましたら下記のボタンからチェックしてみてください。
\ とりあえず見てみて! /
今後在庫の追加をした際はインスタグラムでお知らせする予定です。
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