植物を好きになって、ある程度するとぶち当たる壁といえば、「専門用語多すぎてわけわからん」問題。
この記事をお読みのあなたも「メリクロン?胞子培養?SP?CV?は?????」となっていることでしょう。
私も昔はそうでした…
専門用語って喋ってる方は気持ちいいかもしれませんけど、知らない人からするとマジでわけわからないのでやめてほしいですよね。
しかも植物界隈の専門用語って数が多い上に、ググっても分からないこと多くないですか?
私も調べないとまだ分からないことも多いんですが、情報が1ページにまとまってなくて、めちゃくちゃわかりくい。
似てるのも多くてややこしい。マジ呪文。
「無いなら作っちまおう」ということで、魔窟状態の植物界隈用語の意味をまとめてみました。
目次を見てみて、分からない言葉あったらぜひ読んでみてください。
このサイト(みどりのグリーン)は100株以上の植物と暮らすデザイナーが運営しています。
記事内の写真も我が家で撮影したものなので、あわせてお楽しみください!
〇〇種関係
原種(種)
植物界隈で言う「原種」とは、一般的に「品種改良などをしていない、自然界で生えているのと同じ種」という意味で使われます。
園芸品種(栽培品種)
園芸品種(栽培品種)とは、異なる原種同士をかけ合わせたり、特定の特徴を持つ個体を選抜して園芸用に品種改良した植物を指します。
「原種」は「種」、「園芸品種」は「品種」と呼ばれたりします。
正式な学名ではないので、育てた人が「お、この個体かっこいいから〇〇って名前付けて、元のとは別品種として売ったろ」みたいな感じのことも多いです。
交配種(交雑種)
異なった原種や園芸品種同士をかけ合わせて生まれた品種を交配種(交雑種)と言います。
園芸界隈だとビカクシダやアガベでよく使われる言葉です。
本当は、
- 交配:同じ種同士で生まれたもの
- 交雑:違う種同士で生まれたもの
という違いがあるらしいですが、ごちゃごちゃにして使われることが多いです。
選抜種(選抜品種)
原種や交配種などから個性的な特徴を持つ個体を選抜したのが選抜種(選抜品種)です。
この言葉もビカクシダやアガベでよく使われます。
学名関係
植物の販売サイトなどでは、学名も記載されていることが多いです。
基本的な表記方法はこちら!
属名(頭文字は大文字) + 種小名(頭文字は小文字でイタリック体)
上記が基本ですが「属名+種小名+’個体名’」や「属名+種小名+記号+亜種名」のように表記が長くなっていくことも多いです。
- モンステラ:Monstera deliciosa
- アガベ チタノタ ブラックアンドブルー:Agave titanota ‘Black & Blue’
- ビカクシダ ネザーランド:Platycerium bifurcatum cv. Netherlands
学名関係の記号も訳分からなくて呪文なので、よく使われるものを表にまとめました!
略称 | 正式名称 | 意味 |
---|---|---|
gen. | genus | 属 「〇〇 gen.」は 「〇〇科だが属が不明」という意味 |
subgen. | subgenus | 亜属 |
sp. | species | 種 「〇〇 sp.」は 「〇〇属だが種が不明」という意味 |
spp | several species | 種の複数形 「〇〇 spp.」は 「〇〇属の複数種」という意味 同じ袋に同じ属のタネをたくさん入れたりしている場合に使われる |
ssp./subsp. | subspecies | 亜種 基本的な種と生息地が違うため特徴がある |
cv. | cultiver | 園芸品種 (栽培品種) |
cf. | confer | 比較・参照 「〇〇 cf. ☓☓」は 「〇〇 ☓☓に似てるが特定できない」という意味 |
aff. | affinity | 近縁種 「〇〇 aff. ☓☓」は 「〇〇 ☓☓に似てるが、新種(未記載種)っぽい」という意味 |
var. | varietas | 変種 集団の中で自然に変異していった種類 |
f. | form | 品種 自然発生した品種(人工的な園芸品種ではない) |
nov. | nova | 新種 |
syn. | synonym | 同義語 「〇〇 ☓☓ syn. △△」は、 「〇〇 ☓☓(別名△△)」という意味 |
増やし方関係
実生(みしょう)
実生とは、植物をタネから育てることを指します。
タネから育てた植物を「実生株」や「実生苗」と呼びます!
子株 / PUP / カキコ
子株は親株から分かれてでてきた小さな株です。
「PUP(Puppy=子株)」や「OC株(オリジナルクローン株)」「カキコ(カキ仔=子株を切り取って育てた株)」といった表記で売られていることも多いです。
植物によって子株を出すものと出さないものがあります。
親株
子株を出す植物の親株側のことです。
「OG株(オリジナル株)」とも表記されます。
メリクロン / MC / TC
メリクロンは茎頂(成長点)から無菌培養で増やした苗のことです。
「メリステム(分裂組織)」と「クローン」を組み合わせた造語が「メリクロン」。
他にも「MC(Mericron=メリクロンの略)」や「TC(Tissue Culture=組織培養)」と呼ばれることもあります。
メリクロン株は無菌で育てられるので、病気などに感染していることが少なく、生育が良いと言われます。
胞子培養 / Spore
「胞子培養(Spore)」は胞子から植物を育てること、もしくは胞子から育てた植物のことを指します。
ビカクシダなどのシダ植物はタネではなく胞子で増えます!
特にビカクシダは子株を出すタイプもあるので、「親株から切り離した子株」と「胞子から育てた小さい株」を区別するために記載されていることが多いです。
挿し木
挿し木とは、植物の一部を切り取って、発根させて育てることを言います。
遺伝子的に親株と全く同じなので、同じ性質を持つ植物が育てられるのが特徴です。
葉挿し
葉挿しとは、葉っぱを土などに挿して増やす方法です。
多肉植物は葉挿しで増えるものが多いです!
接ぎ木
接ぎ木とは異なる植物の断面を接着して、1つの個体として育てる方法です。
園芸界隈だとサボテンが多いです。
ワイルド株 / 現地球 /現地株
「ワイルド株」「現地球(げんちきゅう)」「現地株(げんちかぶ)」は、現地で自生していた株のことです。
現地の人やプラントハンターが採取して日本に輸入されます。
ワイルド株は実生株よりも人気な場合が多いですが、ブーム植物は乱獲で個体数が減ってしまうなどの弊害があるので、賛否両論です。
根っこ関係
ベアルート株
ベアルート株とは、未発根状態の株のことです。
主にパキポディウム・グラキリスなどの塊根植物界隈で使われます!
植物は輸入する際に土を落とさなくてはいけないため、根っこを切り落とされることがよくあります。
なので、日本に輸入してすぐの塊根植物などは根っこが生えていません。
抜き苗
抜き苗とは、土から抜いた状態の苗のことです。
たまに「抜き苗=ベアルート株」と説明されたりしますが、「根っこは生えてるけど土に植えられていない状態」も抜き苗と言うので、厳密には違います。
ちなみにメルカリやヤフオクでは、送料を抑えるために抜き苗で配送されることが多いです。(特に多肉植物)
抜き苗で配送される場合は、基本的に販売ページのどこかにその旨が記載されているので確認しておきましょう。
塊根植物系は「抜き苗=未発根株」という意味で使っている販売者さんも多いので、心配な場合は根っこが生えてるか販売者さんに質問してみてください。
根鉢
根鉢とは、土と根っこがひと塊になった状態を言います。
サークリング / 根が回る
サークリングとは、根っこが水を探して鉢底をぐるぐる回っていくことを指します。
根詰まりして水が吸えなくなったりするので、あまり良くない症状です。
楽しいグリーンライフをお送りください!
ということで、この記事では植物界隈の専門用語を簡単に解説してきました。
今回は以上となります。
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