ゆっくりゆっくり時間をかけて成長して、気づいたら最初と全然違う姿になっている。
多肉植物ってさ、人生みたいなもんだと思うんだよね……。
冒頭から訳わからないことを口走ってしまいました。
それくらい多肉植物っていうのは素晴らしいんです。
この記事をお読みのあなたは、「最近多肉植物が気になってて育ててみたいんだよな~」と思っているんじゃないでしょうか?
私も最初はそんな軽い気持ちで育て始め、気付いたら100鉢以上の多肉植物と一緒に生活するようになっていました。
今回は多肉植物が好きすぎて、多肉植物から人生を学んでいるレベルの筆者がこれから多肉植物を育てたいと思っている初心者向けの全情報・知識をできるだけ簡単に解説していきます。
- そもそも多肉植物とは?
- 多肉植物の選び方
- 初心者におすすめな多肉植物7選
- 寄せ植えの作り方
- 最初に揃えたい多肉植物お世話アイテム
- 多肉植物に適した置き場所
- 多肉植物の基本的な育て方
多肉植物ビギナーの方でも、この記事を読めば最初に必要な知識がほぼ全て手に入るので、ぜひ最後までお読みください。
このサイト(みどりのグリーン)は100鉢以上の植物と暮らすデザイナーが運営しています。
記事内の写真も我が家で撮影したものなので、あわせてお楽しみください!
そもそも多肉植物とは?
多肉植物とは言葉の通り、水を貯める多肉質な葉っぱを持っている植物のことです。
多肉植物は砂漠などに自生していることが多く、葉っぱに水を溜め込むことで乾燥の中を生き抜いています。
ちなみに多肉植物は俗称なので、どこまでを多肉植物とするかは人によって微妙に違うのがややこしいところ。
例えば「サボテンは多肉植物の一種」と言う人や、「サボテンと多肉植物は別」と言う人もいます…
※分かりにくいので、これ以降は「サボテンと多肉植物は別」というテイで話を進めていきます。
さて、そんな多肉植物ですが、最大の魅力は育てやすさだと個人的には思います。
多肉植物は乾燥に強い品種が多いので、水やりを多少忘れてしまってもそう簡単には枯れません。
むしろ水のあげすぎで腐らせてしまう人の方が多い気がします。
私のようなズボラ怠惰ぐうたら面倒くさがり人間にとっては、かなり育てやすい植物です。
水不足で多肉植物を枯らすことができる人はズボラ界でも相当なツワモノなので、プライドを持ってほしいレベル。
しかも、多肉植物は種類が多く、暑さに強いタイプや寒さに強いタイプなどがいるので、自宅の環境に合った植物を見つけやすいのも魅力です。
多肉植物の選び方
多肉植物を選ぶときのポイントも簡単に解説します!
- 見た目で選ぶ
- 生育型で選ぶ(寄せ植えを作るときは超重要です)
- 健康的に育っているかチェックする
見た目で選ぶ
多肉植物は基本的に見た目で選べばOKです。
多肉植物はいろんな姿かたちの子がいて、選ぶのがめちゃくちゃ楽しいです!
「ぷくぷく系」「ギザギザ系」「とげとげ系」など、いろんな多肉植物があるので、自分好みの子を探してみましょう。
実際に我が家で育てている多肉植物の写真をいくつか用意したので、参考にしてみてください。
生育型で選ぶ
多肉植物は大きく「夏型」「冬型」「春秋型」の生育型があるので、自宅の環境に合った植物を選ぶこともできます。
- 夏型:夏に成長し、冬に休眠する。20~30℃が生育適温。
- 冬型:冬に成長し、夏に休眠する。5~20℃が生育適温。
- 春秋型:春と秋に成長し、夏と冬に休眠する。10~25℃が生育適温適。
夏型 | 冬型 | 春秋型 | |
---|---|---|---|
春 | 土が乾いてから2~3日後に | 土が乾いたらたっぷりと | 土が乾いたらたっぷりと |
夏 | 土が乾いたらたっぷりと | 控えめに水やり or 断水 | 控えめに水やり or 断水 |
秋 | 土が乾いてから2~3日後に | 土が乾いたらたっぷりと | 土が乾いたらたっぷりと |
冬 | 休眠しているのでほぼ断水 | 土が乾いてから2~3日後に | 控えめに水やり or 断水 |
代表的な種類を挙げると、下記のようになります。
- 夏型:アガベ、クラッスラ、カランコエ、クラッスラ(夏型)など
- 冬型:リトープス、コノフィツムなど
- 春秋型:ハオルチア、エケベリア、クラッスラ(春秋型)など
健康的に育っているかチェックする
実店舗で買う場合は、苗が健康的に育っているかチェックしておきましょう!
- 徒長していないか
- 葉焼けしていないか
- 水不足でカリカリになっていないか
- 病害虫がついていないか
- 色褪せたりしていないか
私は虫が死ぬほど嫌いなので、買う前にじ~っと観察して虫がいないかチェックします。
初心者におすすめな多肉植物7選
- エケベリア ザラゴーサ
- カランコエ 福兎耳
- セダム アラントイデス
- セネシオ 銀月
- ハオルチア オブツーサ
- アガベ
- リトープス
どれがいいかわからない人向けに、初心者でも育てやすい多肉植物を7つ選んでみました。
実際に我が家で育てている植物たちの写真付きで紹介していきます!
エケベリア ザラゴーサ
生育型 | 春秋型 |
価格帯 | 800円前後 |
耐寒温度 | -1℃ |
葉っぱが細めで先に尖った爪がついているのが特徴です。
上から見たときの模様が幾何学的で美しい…
爪の色が赤だったり黒だったりといろんな品種がありますが、どれも徒長させずにみっちり育てると美しいです。
カランコエ 福兎耳
生育型 | 夏型 |
価格帯 | 500円前後 |
耐寒温度 | 5℃ |
カランコエの白系の品種。
毛を眺めていると1時間ほど経過していることが多々あります。
この毛の求心力は一体なんなんでしょうか…。
セダム アラントイデス
生育型 | 春秋型 |
価格帯 | 500円前後 |
耐寒温度 | 0℃ |
丸くて棒状の独特なフォルムが可愛い品種です。
宇宙人が育ててそうな見た目じゃないですか?
粉っぽいマットな質感が可愛い。
セネシオ 銀月
生育型 | 冬型 |
価格帯 | 1200円前後 |
耐寒温度 | -3℃ |
銀月はフェルトみたいな質感が特徴です。
動物の尻尾みたいにふわふわしてます
ただ、冬型で夏越しが若干難しい点にはご注意ください。
夏は基本断水でOKです。
ハオルチア オブツーサ
生育型 | 春秋型 |
価格帯 | 1200円前後 |
耐寒温度 | 3℃ |
圧倒的透け感…!
ハオルチアは「窓」と呼ばれる、光を取り込むための特徴的な器官を持つ多肉植物です。
ぷにぷに感と透け感に魅了される人が後を絶たず、2017年頃からハオルチアは大ブームになりました。
オブツーサはハオルチアの定番品種の一つで、今でも根強い人気があります。
アガべ
生育型 | 夏型 |
価格帯 | 1000円~ |
耐寒温度 | 0℃ |
アガベは最近人気のマニア向け植物です。
多肉植物の中では高額な部類ですが、実は結構育てやすいので、初心者の人でもおすすめ。
大きい株だと数万円以上しますが、小さい苗だと数千円程度で購入できます。
リトープス
生育型 | 冬型 |
価格帯 | 800円前後 |
耐寒温度 | 0℃ |
リトープスは冬型の多肉植物として有名です。
お尻みたいな見た目が特徴で、3~5月ごろに脱皮をして大きくなっていきます。
リトープスは寄せ植えにすることも多いです。
その他のおすすめ多肉植物はこちら!
多肉植物の寄せ植えの作り方
多肉植物は寄せ植えにして飾るのも人気があります。
でも、寄せ植えって初心者には結構難しいんですよね…
寄せ植えをするときには下記の3つのポイントに気をつけてみてください。
- 多肉植物の生育型を揃える
- 鉢底に穴がある鉢を選ぶ
- 水はけのいい土を選ぶ
多肉植物の生育型を揃える
多肉植物で寄せ植えを作るときは、季節型を揃えるのが基本です。
異なる季節型の多肉植物で寄せ植えしてしまうと最適な温度や水やりの頻度が揃わず、枯れやすくなってしまいます。
私が最初に作った寄せ植えも、育て方が違う多肉植物をひとつの鉢にまとめてしまったので、ほとんど枯れてしまいました…
なので、寄せ植えは基本的に同じ生育型の多肉植物を選びましょう。
皆さん「生育型って何だっけ?」って感じで絶対覚えてないと思うので、もう一回書いときます。
- 夏型:夏に成長し、冬に休眠する。20~30℃が生育適温。
- 冬型:冬に成長し、夏に休眠する。5~20℃が生育適温。
- 春秋型:春と秋に成長し、夏と冬に休眠する。10~25℃が生育適温適。
- 夏型:アガベ、クラッスラ、カランコエ、クラッスラ(夏型)など
- 冬型:リトープス、コノフィツムなど
- 春秋型:ハオルチア、エケベリア、クラッスラ(春秋型)など
ただ、同じ生育型でも品種によって必要な光量が違ったりしますので、できれば同じような管理で育てられる品種を選ぶのをおすすめします。
わからない場合は「〇〇(品種名) 育て方」などで検索してみてください!
鉢底に穴がある鉢を選ぶ
園芸店やインテリアショップなどを見ると穴が空いていない容器に多肉植物が寄せ植えされて売っていることがたまにあります。
でも、正直あまりおすすめできません。
悪いことは言わないので、初心者の方は鉢底に穴が空いた鉢に寄せ植えをしましょう。
鉢底に穴がない容器だと、なかなか鉢が乾かなくて腐りやすくなります。
水はけのいい土を選ぶ
多肉植物は乾燥には強いですが、逆にずっと土が湿っているのが苦手です。
なので、寄せ植えをするときには水はけの良い土を選びましょう。
基本的に「多肉植物の土」という名前で売られている土は、水はけがいいので、そういったものでOKです。
見た目がコロコロした無機質の土は水はけがいいので、それを目印に選んでみてください。
我が家ではエリオクエストさんの「賢者の土」を使うことが多いです
寄せ植えの詳しい作り方はこちら
最初に揃えたい多肉植物お世話アイテム
多肉植物を買ったら、ついでにお世話アイテムも揃えましょう!
- 土
- 鉢
- 肥料
上記はしばらく育てていると絶対必要になるので、最初に買ってしまいましょう。
おすすめの土は下の記事で紹介しています!
肥料に関しては、多肉植物は痩せた土地でも育つので、そんなに高い頻度で肥料をあげる必要はありません。
ただ、ゼロだと流石に厳しいので、植え替えのときに緩効性肥料(ゆっくり長く効く肥料)を土に混ぜてあげましょう。
緩効性肥料はマグァンプKが有名です!
あとは、必要に応じて下記のアイテムも揃えてみてください。
- 活力剤
- 水差し
- 殺虫殺菌剤
- ピンセット(植え込みに使います)
- 剪定ばさみ
- 鉢底石
- 軍手
- 水切りトレー
- 温度計
- サーキュレーター
- 植物育成ライト
- ヒートマット
- 遮光ネット
- 簡易温室
おすすめアイテムの関連記事
多肉植物に適した置き場所
実際に多肉植物を買ってきたあとは、適した場所に置くことが大切です。
室内と屋外に分けて注意点を解説していきます!
室内で育てる場合
屋内で育てるときに一番注意してほしいのが、光不足です。
「多肉植物はレースのカーテン越しの光が最適」といった感じのことが書いてあるサイトをよく見かけますが、個人的な経験ではその程度の光量だとほぼ確実に徒長すると思います。
レースのカーテン越しの光が最適なのは、多肉植物ではなく観葉植物です。
実際にレースのカーテン越しくらいの光で育てた多肉植物のビフォーアフター写真がこちら。
がっつり徒長してますよね…
室内でキレイに多肉植物を育てたいなら下記3つのどれかしかないと思います。
- 日光が入る窓際付近に置く
- 耐陰性が強いハオルチアという品種を買う
- 植物用LEDライトを設置する
LEDを買う場合は、強光が出る電球タイプを選びましょう。
下の写真みたいなやつです
これはHaruDesign HASU38 spec9 6Kというライトで、我が家で室内管理している多肉植物に使っています。
室内向けの特集記事
屋外で育てる場合
屋外で育てる場合に気をつけたいのが「夏の直射日光対策」と「冬の寒さ対策」の2つ。
置き場所にもよりますが、夏の直射日光を当てすぎると葉焼けする可能性があるので、下の画像のように遮光ネットで覆ってあげると安心です。
うちのは100均の遮光ネットです!
逆に冬場は寒さで痛む可能性があるので、防寒グッズを使ってあげましょう。
簡単な寒さ対策としては、発泡スチロールの箱に入れてあげるだけでもOK。
しっかり防寒したい場合は、簡易的な温室を作ってあげると安心です。
この簡易温室も100均グッズで作ってます
多肉植物の基本的な育て方
多肉植物を適した場所に置いたら、いよいよ日常のお世話をしていきます。
ルーティンとしてやることをまとめました。
- 水やり:多肉植物を触って柔らかくなっていたら
- 植え替え:1~2年に1回くらい
- 仕立て直し(切り戻し):ひょろひょろと伸びて不格好になったら
それぞれの詳しいやり方は下の記事で解説しています。
楽しいグリーンライフをお送りください!
ということで、この記事では多肉植物ビギナー向けの知識を網羅的に解説してきました。
見返したい部分がある方は以下の目次でお戻りください!
今回は以上となります。
インスタもやってるので、ぜひフォローお願いします!