食べられる植物って、魅力的ですよね。
筆者は普段、観葉植物をメインに育てているんですが、心のどこかで「これが食べられたら最高なのにな…」と思っています。

何でも食べられればいいのに
そんな私が食べられる草の中で特に大好きなのが、「大葉(しそ)」です!
あの独特の爽やかな香りと、お刺身のつまから、炒め物やパスタまで、どんな料理にも合う驚きの万能さ。
しかも、大葉はプランターひとつあれば比較的簡単に育てられて、必要な時に必要な分だけ、新鮮な葉をどんどん収穫できるという神っぷり。



攻守ともに最強。
この記事では、そんな美味しすぎる大葉の育て方について、初心者の方にも分かりやすくポイントを絞って解説していきます。
この記事の内容
- 大葉の基礎知識
- 大葉を育てる時期や好む環境
- 家庭菜園で準備するもの
- 基本的な育て方
- 実際に育てた体験談



このサイト(みどりのグリーン)は100株以上の植物と暮らす夫婦(デザイナー妻とライターの夫)が運営しています。
サイト内の写真は我が家で撮影したものなので、あわせてお楽しみください!
大葉(しそ)ってどんな植物?


まず、大葉(しそ)とはどんな植物なのか基礎知識を押さえておきましょう。
大葉はシソ科の一年草で、青じそ(緑色の葉)と赤じそ(紫色の葉)の2種類があります。
一般的に料理で薬味として使われる青じその葉を「大葉」と呼び、刺身のツマや和え物、天ぷらなど幅広く利用されています。
赤じそは梅干しの色付けやシソジュースにも使われる品種です。
どちらも爽やかな香りが特徴で、日本では古くから親しまれてきました。



縄文時代の遺跡からも種が見つかっているほど、日本人とシソの付き合いは長いらしいですよ!
大葉(しそ)は家庭菜園向き
シソは一度育つと次々と新しい葉が生えてきて、摘み取っても脇芽からどんどん葉が再生します。
そのため、家庭菜園でも少ない株数で繰り返し収穫を楽しめる野菜です。
またシソは夏になると高さが70~80cmほどに成長し、花が咲き種も実るんですが、葉だけでなく、芽(芽じそ)や花穂(花じそ)、種(実じそ)までも食べられます。
芽じそは刺身のツマに、花穂は薬味に、実じそは塩漬けや醤油漬けにして楽しめるなど、捨てるところのない嬉しい野菜です。
大葉(しそ)を育てる時期や好む環境





植物を育てる際には、その植物が好む環境を知っておくことが成功の近道です!
大葉は比較的丈夫で育てやすい植物ではありますが、やはり適切な時期や環境を知っておくことで、よりスムーズな栽培が可能になります。
生育適温
大葉は暖かい時期にぐんぐん育つ夏野菜の一種で、発芽や生育に適した温度はおおよそ20~25℃とされています。
寒さには弱く、霜が降りるような低温下では育たないので注意しましょう。
一方で、夏の暑さには比較的強く、30℃を超えるような日本の真夏の高温にもある程度は耐えることができます。
なので、日本の多くの地域では初夏から夏にかけての期間が大葉の主な生長期です。



ただ、あまりにも強すぎる日差しや極端な高温は、葉が硬くなったり、生育が一時的に鈍ったりする原因になることもあります。
土
大葉は水はけが良く、適度に保水力と栄養のある土を好みます。



プランターで育てる場合は、市販の野菜用培養土を使うと簡単です!
野菜用培養土にはあらかじめ基本の肥料分が含まれていることが多く、初心者の方でも育てやすいです。
自分で土を配合する場合は、赤玉土(粒状の園芸用土)と腐葉土(有機質の土)を6:4程度の割合で混ぜると良いでしょう。
プランター栽培では鉢底石を底に敷いて排水性を高め、土を入れる際は縁から数cm下げてウォータースペースを作っておくと、水やりの際に土が流れ出ず管理しやすくなります。
種まき時期
種から大葉を育てる場合、種まきの適期は地域にもよりますが4月中旬~5月頃が目安。
発芽には地温20℃以上が必要になるため、暖地であれば4月半ば、寒冷地では5月下旬以降に種まきすると安心です。
シソの種は発芽までに1~2週間以上かかることが多く、気温が低いとさらに時間がかかります。
早く種をまきすぎて寒さに当てると発芽しなかったり苗が弱ってしまうことがあるので、焦らず適期を待ちましょう。
植え付け時期
苗から育てる場合の植え付け適期も、種まきと同様に春(4~5月頃)です。



大葉の苗は園芸店で4月頃から出回り始めます。
遅くとも初夏までに植え付ければ、その年の夏には収穫できるので、気温の安定した暖かい日を選んで植え付けましょう。
日当たり
大葉は日当たりの良い場所を好みます。



日光をたっぷり受けるほど葉がよく茂り、香りも強くなるんだとか!
ただし真夏の場合、強烈な日差しが一日中当たるような環境よりは、午前中は日なた・午後は半日陰くらいの環境が適しています。
特に植え付け直後の苗は強い直射日光に当たり続けると痛みやすいので、半日陰に移してあげた方が安心です。
ベランダ菜園の場合は日照時間の長い場所にプランターを配置し、真夏は必要に応じて遮光ネットなどで直射日光を和らげてあげましょう。
風通し
大葉は風通しの良い環境を好みます。
複数の株を育てる場合は適度に間隔を空けて植えたり、密になっている部分を間引いてあげあて、風通しを確保してあげましょう。



葉が密生して湿度が高い状態が続くと、害虫(アブラムシやハダニなど)や病気が発生しやすくもなります…
大葉(しそ)の家庭菜園で準備するもの



初心者さんが家庭菜園で大葉を始める際に必要なもの・あると便利なものをリストアップします!
種または苗


まずは大葉の種または苗を用意しましょう。
種の場合、1袋に数百粒程度入っているので、うまく発芽させることができれば、大量に収穫することも可能です。


ただし大葉の種は硬い殻に包まれていて発芽に時間がかかるため、初心者には苗から育てる方法が簡単と言われています。
苗から育てる場合は、葉の色が濃く茎がしっかりした元気な苗を選びましょう。
筆者は今回、コストを抑えたかったことと種から育ててみたい好奇心もあり、種から育てることを選びました。



後半に詳しく書きますが、初心者でもちゃんと発芽したので、種からも結構おすすめです!
土


大葉の場合、市販の野菜用培養土を用意すれば十分です。
培養土には最初から肥料分が含まれている商品も多く、その場合は植え付け時に元肥(土に混ぜ込む肥料)をいれる必要はありません。



自宅の庭土を使う場合は、あらかじめ腐葉土や堆肥を混ぜてふかふかの土にしておくといいみたいです!
プランター


プランター(または鉢)も用意しましょう。
大葉は根がそれほど深く張らないため、深さ15cm以上のプランターがあれば育てられます。
標準的なプランター(長さ60cm×幅20cm×深さ18cm程度)であれば2~3株は植え付け可能です。



底に必ず排水穴が空いているものを使いましょう。
肥料


植え付け直後からしばらくは培養土の養分で育ちますが、その後の成長を助けるために追肥用の肥料があると安心です。
化成肥料(粒状の化学肥料)や液体肥料など、家庭菜園用のものなら何でも構いません。
筆者は観葉植物にも使っている肥料をそのまま流用しました。



下記の記事でおすすめ肥料を紹介しています!


じょうろ


種まきや苗の植え付け直後は土を乾かさないよう頻繁な水やりが欠かせません。
その際、ハス口(先端のシャワー部分)がついたじょうろがあると、水を土にやさしく注げるので便利です。



特に種から育てる場合は、水流が強いと種が流れてしまうので、じょうろを使ってあげたほうがいいです!
その他あると便利なもの
最後に、必須ではないけれどあると便利なグッズを挙げます。
- 鉢底石:プランター底に敷く石。排水性を良くし根腐れ防止になると言われています。
- スコップ:培養土をプランターに移したり、苗を植えるときに穴を掘ったりする小型シャベルです。スコップがない場合でも手で作業できますが、あると手が汚れにくくスムーズです。
- 園芸用ハサミ:収穫や摘芯に使う先の尖ったハサミです。キッチンバサミでも代用できますが、土や植物の樹液で汚れるので専用に用意しておくと管理が楽になります。
以上のような道具を揃えたら、いよいよ大葉栽培のスタートです!
基本的な大葉(しそ)の育て方


それでは、大葉(しそ)を実際に育てる手順やコツを順番に説明します。
種まき
種をまく前日に一晩水につけて吸水させると発芽率がよくなります。
濡れたキッチンペーパーなどに挟んでおきましょう。



面倒ならここは飛ばしても大丈夫です。
プランターや育苗ポットなど、種をまく容器に培養土を入れます。
プランターなら底に鉢底石を敷いてから土を入れるのがおすすめです。


土の表面をプランターの縁から数cm下げてウォータースペースを作ることで、水やりしたときに土が流れ出るのを防げます。


土にパラパラと種を撒きます。


大葉の種は光を好む「好光性種子」なので、穴を掘って埋める必要はありません。
種を撒いた後は、土はごく薄くかぶせるか、軽く押さえる程度にします。


種まき後は、じょうろで優しく水やりします。


発芽まで通常10~15日ほどかかるので、それまでは土の表面が乾かないよう、毎日水やりを続けましょう。
双葉が開き、本葉が2~3枚出てきたら、生育の良い芽を残して間引きます。


最終的に1箇所につき1本になるようにすると、その後の成長が良くなります。
植え付け(苗から育てる場合)
苗を購入して育てる場合の植え付け手順です。
プランターでも地植えでも基本は同じですが、ここではプランター栽培を例に説明します。
プランターに培養土を入れて、苗を植える位置に穴を掘ります。



複数株植える場合は株間20cmほど間隔を空けて穴を作りましょう。
狭い間隔で植えると日当たりや風通しが悪くなり、葉付きが悪くなるので注意しましょう。
ビニールポットから苗を優しく取り出し、根鉢(土がついた根の塊)を崩さないようにして、先ほど掘った穴にそっと入れます。
苗の土がついていた部分が周囲の土と同じ高さになるように深さを調節しましょう。
一株ずつ丁寧に植え、根元に土を寄せて軽く押さえ、グラつかないようにします。
苗を植え付けたら、すぐにたっぷりと水を与えます。
プランターの底から水が流れ出るくらい十分に与えるのがポイントです。
初期の根付きが良くなるよう、植え付け直後は特にしっかり潅水しましょう。
その後は土の表面が乾いてきたタイミングで水を与えれば大丈夫です。
植え付け直後の苗は環境の変化に弱いので、直射日光が強すぎない風通しの良い場所にプランターを置きましょう。
根付くまでの数日は半日陰で養生させ、その後は徐々に日なたに出すと苗への負担が少なくなります。
水やり
- タイミング:土の表面が乾きかけたら
- 時間帯:朝(乾きやすい夏場は朝と夕方の1日2回必要なこともあります)
大葉(しそ)は水を好む植物です。
土が常にしっとり湿り気を帯びている環境を好み、乾燥には弱い傾向があります。
なので、土の表面が乾きかけたタイミングでたっぷりと水やりをしましょう。



水切れ状態になると、葉がしおれて傷んでしまうので注意が必要です。
大葉は一度しおれても水を与れば復活しやすいですが、葉質が固くなったり生長が遅れたりします。
肥料
大葉は比較的肥料要求の高い野菜ではありませんが、長期間育てて葉をどんどん収穫するためには適度な追肥が効果的です。
植え付け時に元肥を施していれば、苗が小さいうちは追肥不要ですが、草丈が20cmを超え本葉が増えてきたら追肥を開始します。



目安としては、月に1~2回の頻度で肥料を追加してあげましょう
肥料の量や濃さは、パッケージ裏面等にかかれている規定を守りましょう。


肥料切れ(養分不足)になると葉が全体に黄色っぽくなって香りも弱くなることがありますが、逆に肥料過多も良くないので、適量を守ることが大切です。
摘芯
摘芯(てきしん)とは、芽の先端を摘むことです。
草丈が25~30cmほどに成長した頃、茎の一番先の新芽をハサミで切り取りましょう。
これにより頂点の成長点がなくなるため、脇芽(わきめ)がどんどん伸びて枝分かれが進み、結果として葉の数が増えます。
切り取る芽先は長さ5cm程度、葉で言えば2~3枚分くらいをカットすればOKです。



摘芯をしないと1本の茎が上に伸び続けて、葉の数が少なくなってしまうので、思い切って摘芯しましょう。
花がら摘み
夏の終わり頃になり株が成熟してくると、大葉は花芽をつけ始めます。
放っておくとやがて花が咲き種ができるのですが、花が咲くと葉に栄養が行かなくなり硬く風味も落ちるため、葉を収穫し続けたい場合は花芽を早めに摘み取るようにします。
咲き始めの花穂を見つけたら、ハサミで切り取りましょう。
摘芯と花がら摘みを適宜行いながら育てることで、大葉は秋口まで長く収穫を楽しむことができます。
実際に大葉を種から育てた体験談(2025年随時更新中)
それではここからは、筆者である私自身が実際に大葉を種から育てている体験談をお届けします。
種を植えた(2025年5月13日)
2025年5月12日。大葉の種まきを決行しました!
まずは、プランターに鉢底石と培養土をセットしてスタンバイOK。




種をパラパラと土に撒いていき、上から軽く土を被せました。





一袋にめっちゃ種が入ってたので、もったいなくて小さい鉢にも撒いてます。


そして、最後に水やりをして種まきは完了。



大体1時間くらいで終わりました。
あとは芽が出るまで毎朝水やりをします。
水やりをするときは、「お願いだから芽よ出ておくれ!」と祈ると芽が出やすいと思います(多分)。
芽が出た(2025年5月19日)
朝の水やりの際、ついに小さな芽を発見しました!


種をまいてから6日目、毎朝「今日こそ芽が出てるだろう」と土をのぞき込んでいましたが、ようやくピョコっと可愛らしい芽が出現。



見つけた瞬間、思わず「マジで出てるじゃん!」と軽く叫びました。
芽が出たとはいえ、まだ発芽したばかりの赤ちゃん苗たち。油断は禁物です。
双葉のうちは特に乾燥に弱いので、水切れさせないよう引き続き毎朝水やりを続けます。
順調に成長中(2025年5月25日)
芽が出てから数日で結構成長してきました。


20cmごとに1株くらいが適正距離なので、成長してきたら、今後とんでもない数を間引きしなければいけません。



あまりに残酷なので、やる前から震えています……
間引きを実施(2025年6月10日)
だいぶ育ってきたので、ついに間引きを実施しました。



抜く前の鉢はこんな感じ!


多すぎて全部取りきるのは難しいので、とりあえず土が見えるくらいまで小さめの子を抜きます。


抜いた子たちがこちら。





ミキサーにかけてジュノベーゼのソースにしました。うまし!
残した子たちの様子がこちら。







これでしばらく育てて、伸びすぎてきたらまた間引く予定です。
※今後も何か大きな動きがあれば随時更新していきます!
楽しいグリーンライフをお送りください!


今回は、大葉(しそ)の育て方と実際に育てた体験談をお届けしました。



皆さんの参考になったら嬉しいです!



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